2011年7月22日金曜日

コーヒーの焙煎ってこんな感じなんです。

前回の記事では焙煎機ディスカバリーをご紹介しました。
今日は焙煎の流れをご案内しようと思います。
このようにおいしそうに焼きあがるまでをご紹介。

まずはこのホッパーと呼ばれる漏斗形の部分に生豆をスタンバイ。
火を入れて暖めておいた釜が、狙った温度になれば生豆投入です。


コーヒー豆というとあの茶色いイメージしか思い浮かばない方も多いと思いますが、
生の豆は青く、収穫して新しい生豆には水分が多く含まれています。
この水分を上手に飛ばしてから本ローストに入ります。
まだ投入したてなので、グリーンな豆の色が見てとれますね。


このサシというスプーンを使って焙煎度合いをチェックします。
水分が抜けてくると色が白くなってくるんです。
さらに僕の場合は常に変化を香りでチェックしています。
水分が抜け、本ローストの準備完了の合図を出してくれる瞬間があります。
それを逃さないようにするのが水分抜きのポイントだと思います。


火力は側面のバルブで調整します。微圧計というガス圧を目視できる計器と、
デジタル温度計を備えています。
焙煎は火力が全て!とは言い切れませんが、ほとんど火の使い方で決まると思います。
水分抜きも含めて、豆に対してどのようなカロリーの与え方をするか。
時間と温度計、豆の表情や香りから、「今どのような状態でどこに向かおうとしているのか」
を読み取り、コントロールする必要があります。

コーヒー豆の味を決定付ける、コントロールに必要な要素がもうひとつ。
排気です。
コーヒー豆は熱せられると色々な成分を排出します。
とりわけ目に見える成分としては、にじみ出た油分が煙となるのですが、
これは焙煎後半の要素。
「そんなの全部出してやればいいじゃない」
と思うのが普通なのですが、それがカンタンにはいきません。
このダンパーというレバーを使ってコントロールするのですが、
メモリが小さい方に回すと「閉まり」、
メモリを大きい方に回すと「開き」ます。
閉めると釜圧が上がり火のかかり方が強くなるんですが、
生豆から排出される成分も閉じ込めてしまう事になります。
このダンパーという操作が含まれる事により、焙煎は無限の可能性と方法を生むのだと思います。


焙煎が進むと、「コーヒーな色」に色付いてきます。
何回も抜き差ししながら豆の表情や香りをチェック。
これも焙煎の進行方法によって本当にタイミングが異なります。
途中、「ハゼ」という小爆発が起こります。
1度目は「パチパチ」
2度目は「ピチピチ」
といった具合。
ハゼについても人によって考え方はさまざまです。
焙煎する人の数だけ理論があると思います。

焙煎の煎り具合を確認し、「ココだ!」というポイントで釜だしです。
下側は冷却機。スイッチを入れて攪拌ファンを回します。
釜から出た豆はすぐに冷やさないと、余熱(200℃オーバーです)で焙煎が進行してしまいます。
急速冷却に異を唱える方もいらっしゃいますが、
焙煎のブレを抑える意味でも、ここは絶対のポイントだと思います。
僕はクリップ扇風機を使って冷却を補助しています。

という訳で1回の焙煎が終了しました。
おいしそうに焼けましたね!

焼きあがったばかりのコーヒー豆は、ガスを多く含んでいるので
このまま一晩寝かせます。
翌日に「カッピング」と呼ばれる方法で品質をチェックします。
これは1焙煎ごとに必ず行っています。

次回はそのカッピングの風景をお伝えしようかなと思います。

お楽しみに!


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