今日は焙煎の流れをご案内しようと思います。
このようにおいしそうに焼きあがるまでをご紹介。
まずはこのホッパーと呼ばれる漏斗形の部分に生豆をスタンバイ。
火を入れて暖めておいた釜が、狙った温度になれば生豆投入です。
コーヒー豆というとあの茶色いイメージしか思い浮かばない方も多いと思いますが、
生の豆は青く、収穫して新しい生豆には水分が多く含まれています。
この水分を上手に飛ばしてから本ローストに入ります。
まだ投入したてなので、グリーンな豆の色が見てとれますね。
このサシというスプーンを使って焙煎度合いをチェックします。
水分が抜けてくると色が白くなってくるんです。
さらに僕の場合は常に変化を香りでチェックしています。
水分が抜け、本ローストの準備完了の合図を出してくれる瞬間があります。
それを逃さないようにするのが水分抜きのポイントだと思います。
火力は側面のバルブで調整します。微圧計というガス圧を目視できる計器と、
デジタル温度計を備えています。
焙煎は火力が全て!とは言い切れませんが、ほとんど火の使い方で決まると思います。
水分抜きも含めて、豆に対してどのようなカロリーの与え方をするか。
時間と温度計、豆の表情や香りから、「今どのような状態でどこに向かおうとしているのか」
を読み取り、コントロールする必要があります。
コーヒー豆の味を決定付ける、コントロールに必要な要素がもうひとつ。
排気です。
コーヒー豆は熱せられると色々な成分を排出します。
とりわけ目に見える成分としては、にじみ出た油分が煙となるのですが、
これは焙煎後半の要素。
「そんなの全部出してやればいいじゃない」
と思うのが普通なのですが、それがカンタンにはいきません。
このダンパーというレバーを使ってコントロールするのですが、
メモリが小さい方に回すと「閉まり」、
メモリを大きい方に回すと「開き」ます。
閉めると釜圧が上がり火のかかり方が強くなるんですが、
生豆から排出される成分も閉じ込めてしまう事になります。
このダンパーという操作が含まれる事により、焙煎は無限の可能性と方法を生むのだと思います。
焙煎が進むと、「コーヒーな色」に色付いてきます。
何回も抜き差ししながら豆の表情や香りをチェック。
これも焙煎の進行方法によって本当にタイミングが異なります。
途中、「ハゼ」という小爆発が起こります。
1度目は「パチパチ」
2度目は「ピチピチ」
といった具合。
ハゼについても人によって考え方はさまざまです。
焙煎する人の数だけ理論があると思います。
焙煎の煎り具合を確認し、「ココだ!」というポイントで釜だしです。
下側は冷却機。スイッチを入れて攪拌ファンを回します。
釜から出た豆はすぐに冷やさないと、余熱(200℃オーバーです)で焙煎が進行してしまいます。
急速冷却に異を唱える方もいらっしゃいますが、
焙煎のブレを抑える意味でも、ここは絶対のポイントだと思います。
僕はクリップ扇風機を使って冷却を補助しています。
という訳で1回の焙煎が終了しました。
おいしそうに焼けましたね!
焼きあがったばかりのコーヒー豆は、ガスを多く含んでいるので
このまま一晩寝かせます。
翌日に「カッピング」と呼ばれる方法で品質をチェックします。
これは1焙煎ごとに必ず行っています。
次回はそのカッピングの風景をお伝えしようかなと思います。
お楽しみに!